便秘薬成分が含まれる処方薬・市販薬・お茶を解説
代表的な便秘薬
コーラックⅡ
新ビオフェルミン
S錠
便秘解消をサポート
おすすめのお茶
モリモリスリム
桃花スリム
「便秘を解消するにはやっぱり薬。お茶だと効果が弱い」なんて考えている方も多いかと思います。そこで、お茶と便秘薬それぞれについて、同じ比較軸を用いて成分や安全性、効果を検証してみました。
高い便秘解消効果が期待できるとされている2商品を比べてみましょう。便秘薬代表はピンクの小粒でお馴染みのコーラック、お茶代表は口コミでも人気の高いモリモリスリムです。
便秘薬 (コーラック) |
お茶 (モリモリスリム) |
|
---|---|---|
初回の価格 | 980円(税抜) | 380円(税込) |
配合成分 | ビサコジル 大腸刺激ジフェニルメタン系の化学成分により腸を直接刺激する。 |
24種類の自然植物 オオバコ、麻の実、スピルリナ、杜仲など。ゴールデンキャンドルなどの大腸刺激成分も配合されていますが、薬と比べても極少量。 |
安全性 | 継続使用により刺激に慣れ、薬ナシでは腸が動かなくなる恐れも。継続して飲み続けると、大腸メラノーシスという状態になり腸壁が黒く色素沈着し、さらに動きが鈍くなる。 | 天然ハーブ成分で、メインとなるのは食物繊維による便の水分量UP&かさ増し。刺激成分配合だが、多々配合されているハーブのうちの1つであり、依存するほどの刺激は発生しない。 |
飲用時の副作用 | 激しい腹痛・下痢。吐き気を伴う場合もある。下痢が数日間続く場合も。 | 特にこれといった違和感はなく普通のお通じ。濃くしすぎるとやや腹痛を感じる場合も。 |
効果が出る までの時間 |
服用後6~11時間 | 飲用後数時間(飲んだ翌日という方が多い) これまで刺激系下剤に慣れていた方は、効果が出るまで1週間程度必要な場合も。 |
飲みやすさ | 粒は小さいので飲みやすいが、1日1粒でも相当な効果を発揮するため量の調整が難しい。 | お茶なので、特に意識することなく自然に飲む事ができる。自分でお茶の濃さを調節できるので、お腹の調子に合わせて調整が可能。 |
公式サイト | 公式サイトはこちら≫≫ | 公式サイトはこちら≫≫ |
現在便秘薬を定期的に摂取しているけれど、あまり効果を感じなくなってきたという方や、便秘薬の影響でお腹の痛みであったりお腹をくだしてしまっているなどの症状がでてしまうことがつらいと感じている方もいることでしょう。
とくに便秘がつらいので便秘薬をのんでいるのに、結果として別の症状がでてしまっているのであれば本末転倒になってしまいます。
こうした便秘薬での副作用で悩みをもっている方は、便秘への対策方法を便秘薬からお茶に変更することを検討しましょう。
しかし、便秘薬ではなく一見便秘とは関係のなさそうなお茶を飲むことがなぜよいとされるのかと疑問をもつ方もいるかもしれません。
これは便秘薬とお茶のそれぞれの特徴を比べてみると理解していただけるでしょう。お茶には便秘薬にないメリットがいくつもあるのです。
まずは便秘薬の特徴からみていきましょう。日々便秘薬をのんでいる人のなかには、共感できる部分がいくつかあることと思いますが、 便をしっかりだすために仕方なく続けている方もいるのではないでしょうか。
日々のお通じをよくするために便秘薬を飲んでいるけれどそれによりつらい状況が発生している、こうした悩みをもっている方はそもそもなぜ便秘薬を摂取することで、お腹が痛くなってしまったりくだしてしまうという症状が人によってでることがあるのか、その理由を知っているでしょうか。
便秘薬を摂取することで痛みや辛さなどが発生してしまうケースがある理由は、その便秘薬の成分にあります。
便秘薬の目的としては下記があります。
便をだすために腸の神経を刺激する
こうした効果を目的としている成分が便秘薬には含まれているのです。
これを刺激性成分といいますが、個人個人の体質や体調であったり、便秘の症状や原因によって便秘薬は合う合わないがあるのです。
自分に合ってない便秘薬を摂取することで痛みやお腹をくだすようなつらい症状が発生してしまう原因となります。
便秘薬をのむことでお腹の痛みや下痢などのつらい症状がでてしまう場合、その成分を取りすぎているということも考えられます。
しかし便秘薬は錠剤ですので、1錠に含まれている成分量を自分でコントロールするために1錠分よりも少ない量を摂取しようと思っても、それはできません。
本当は1回にのむ量をもう少し抑えたいのに仕方なく1錠飲んでいるという方もいるでしょう。
便秘薬は便秘の症状を改善することを目的としてつくられています。
そのため便秘以外の症状を改善することを期待した、他の栄養や成分などといったものは基本的にほとんど含まれていません。
これは便秘薬という性質上仕方のないことですが、お茶ともっとも異なる部分ともいえるでしょう。
上記の便秘薬の特徴に対して、次はお茶の特徴やメリットなどを解説していきます。お茶にはその成分に便秘の解消が期待できる理由が様々あります。
お茶は体に刺激を与える成分が含まれているものではありませんので、お茶を飲むことが原因となり腹痛を起こしたり下痢になってしまうようなつらい症状を起こすことはありません。
日々の便の硬さや状態などは日常的な状況を維持することができます。
お茶を飲む際には自分でお湯で茶葉をこしていれることになります。そのため少し摂取する量を減らしたいと思った場合には、下記のどちらかで対応が可能となります。
このどちらかをするだけで、お茶1杯分に含まれる量を薄めることができます。
つまり必要に応じて自分で濃さを調節し、摂取する成分量をいつでも簡単にコントロールすることができるということです。
そのまま体内に摂取する錠剤の便秘薬では自分で1錠の成分量を減らすということは絶対にできません。
種類によって異なりますが、お茶は基本的に便秘の改善のみを目的としてつくられているものではありません。
茶葉からつくられた飲料品ですので、お茶はその自然で育った茶葉に含まれている複数の成分を摂取することができます。
茶葉に含まれている便に関する成分の例をあげると、まず食物繊維があります。[注1]
食物繊維というのは人間の体のなかで日々の排便習慣に大きな関わりをもっている成分で、研究として食物繊維を摂取していない状態に比べた場合、食物繊維が10g以上含まれる食事をとっていれば排便の回数は増加するという報告があります。[注2]
また自律神経をととのえる働きが期待できます。自律神経は胃での食べ物の消化の働きや、腸が消化したものを外に向けて運ぶために必要な消化器官の動きに大きく関係しており、自分の意識でコントロールできない神経です。
他にもお茶には様々な栄養素が含まれており、ビタミンの摂取ができます。[注3]
便秘を引き起こす要因として厚生労働省が公表している内容をまとめると下記の8種類があります。[注4]
このうち1から4の要因はお茶を飲むことで対応が期待できるといえます。
5から8の要因は生活習慣に関わることになるのでお茶を飲むというだけでは対応するのは難しいのですが、何らかを飲むことで対応できるのはすべてお茶が網羅しているということになります。
便秘薬でビタミンも食物繊維もとるというのはできません。
お茶を飲むことでこうした便秘の要因の一部に関わる成分を補給したり、神経の状態を保つことができ理想的なお通じをサポートしてくれるのです。
便秘にかかわる部分以外でも身体全体の健康を維持することができます。実際に静岡県は日本の中でも健康長寿県とされており、その理由はお茶にあると報告されています。
お茶に含まれているテアニンやカテキンなどが様々な体の部分での状況維持の働きを助け、かつ薬ではないので成分を無理に摂取しすぎることがないためです。[注5]
そして便秘薬のように固形の錠剤を飲むものではなく、すべて温かい液体として体の中に取り入れますので、高齢者の方が万が一喉に詰まらせてしまうという心配もありません。
またお茶なので便秘薬以外の薬を飲むことに抵抗をもっている方でも安心して飲むことができます。
現在便秘薬を飲んでいる方がお茶に切り替える際も、普段の食事と一緒にお茶を飲むだけで大丈夫です。
お茶と便秘の関係でデメリットを挙げるとすれば価格の部分があります。多くの種類の成分が含まれており、様々な面で健康維持が期待できるということもあり、決して安い金額とはいえません。
腸内の環境や健康を維持するのであれば毎日お茶を飲み続ける必要があります。ある程度維持することができたのであれば毎日飲む必要もなくなりますが、数日に一回であっても費用は高くなってしまいます。
しかし便秘薬も飲み続けることを考えると、病院に通院をしたり定期的にドラッグストアなどで購入をしなければいけないので、それと比較をすると長期的な金額は便秘薬よりも安く済むことがあります。
[注1]公益社団法人 日本食品科学工学会:茶葉中食物繊維等品質成分の熟度および製茶法による変動[pdf]
[注2]特定非営利活動法人 日本栄養改善学会:若年者の排便習慣と食物繊維摂取の関連[pdf]
[注3]茶ガイド:茶の科学
[注4]e-ヘルスネット:便秘と食事
Copyright (C)薬剤師が教える便秘薬のすべて All Rights Reserved.