便秘薬成分が含まれる処方薬・市販薬・お茶を解説
代表的な便秘薬
コーラックⅡ
新ビオフェルミン
S錠
便秘解消をサポート
おすすめのお茶
モリモリスリム
桃花スリム
大腸を刺激する成分は主に2種類あり、その1つが植物など自然由来の成分が原料となるアントラキノン系です。化学物質ではないため、お腹に優しそうなイメージがありますが実際は…
およそ70%の市販薬に使われている成分で、大腸刺激性という名の通り、成分の刺激により腸の動きを活発にして排便を促します。即効性は無く、効果が出るまでに6~8時間が必要です。
はじめのうちは少量でも刺激が強いため、強い腹痛を伴って高い効果が得られるのですが、長期間服用していると腸が刺激に慣れてしまい、薬の量を増やさなければ効果を感じられなくなってしまいます。
アントラキノン系下剤を飲み続けると腸の粘膜がダメージを受けてしまい、徐々に大腸が黒っぽく色素沈着していきます。これを「大腸メラノーシス」と呼びます。変色した部分は痛みや不快感など具体的な自覚症状こそありませんが、黒ずんだ部分は腸の働きが鈍くなってしまうため、ますます便秘の悪循環に陥ってしまうのです。
大腸メラノーシスは、下剤の服用を中止すれば半年~1年ほどで元に戻っていきます。
主成分が植物由来だと体に優しいような気がしますが、便秘薬の場合はむしろ植物由来成分のほうが強力な効果と副作用があります。一時的な便秘で薬を使うなら問題ありませんが、慢性便秘でずっと薬を使わなければ出ない、パッケージに記された量以上飲まないと出ない、というレベルになってきたら、病院で診断を受けたほうが良いでしょう。
妊婦さんのお悩みでとても多いのが便秘。ですがアントラキノン系の薬を妊娠中に服用すると、子宮が収縮(おなかが張る)する原因に。
もし妊娠初期に子宮収縮が起こると成長途中の胎児が傷つけられ、繋留流産に繋がる可能性が高くなります。
妊娠中期は比較的安定している時期ですが、ここで子宮収縮が起こると切迫早産などで絶対安静を義務付けられる場合も。
妊娠後期は普通にしていてもおなかの張りを感じやすい時期。アントラキノン系の薬を服用したことにより思いがけない時期の陣痛・早産に繋がる可能性が考えられます。
便秘が辛い時にはまず健診の際に相談してください。病院側で妊娠中でも飲める薬を処方してもらえる可能性があります。また、便秘に効くお茶や運動など、薬に頼らずに出せる方法を生活の中に取り入れてみましょう。
それぞれの、便秘の症状によって使い分けることのできる便秘薬。その中でも、下剤タイプとして市販されているアントラキノン系下剤は副作用が報告されています。
アントラキノン系の便秘薬は大きく二つに分類されます。まず、生薬として使われているアロエやダイオウ、カスカラやセンナを含んだ物です。次に、センナの有効成分であるセンノシドを含む下剤があります。
具体的には、漢方薬としてその成分が多い物は、麻子仁丸と大黄甘草湯が挙げられます。その他、市販薬ではコーラックファイバー、コーラックハーブ、スルーラックS、スルーラックデトファイバー、スルーラック+、新ウィズワン、クレンジル、ウエストンサラ、カイベールC、ハーブイン「タケダ」、リリーシェハーブがアントラキノン系下剤に分類することができます。
有名なアントラキノン系下剤の副作用として、大腸メラノーシスがあります。長期にわたって服用する場合に大腸の中に色素沈着を引き起こし、本来ピンク色の腸壁が黒い色に変化します。
色素沈着だけではなく、症状が進んでいくと大腸の筋肉中の神経細胞が少なくなります。つまり、大腸内の繊毛運動が低下し、便を先に送り出すことができなくなります。そのため、ふたたび便秘の症状を引き起こし、さらにアントラキノン系下剤を服用するという悪循環におちいります。
このように、アントラキノン系下剤を服用する場合は腸内環境について気をつける必要があります。長期間の服用を避けて、薬が効かないと思う場合は大腸への色素沈着を疑いましょう。
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