便秘薬成分が含まれる処方薬・市販薬・お茶を解説
代表的な便秘薬
コーラックⅡ
新ビオフェルミン
S錠
便秘解消をサポート
おすすめのお茶
モリモリスリム
桃花スリム
界面活性剤が便の表面に作用し、水分や油分を含ませて排出しやすい状態を作り上げる…これが浸潤性下剤の効果です。日本国内では医療現場でもそこまで使用頻度が高くありませんが、有名な市販薬にも配合される便秘薬です。
浸潤性下剤は、便の表面に水分や油分をとりこませ、便を柔らかくしてスムーズに排出するための薬です。主な成分は「界面活性剤」ですから、便がつるんと排出されるのも納得できるのではないでしょうか。便秘はもちろんのこと、消化器系の手術に際して腸内をすっきりさせるための下剤としても使われています。
このタイプの下剤は効果がそこまで強くないため、市販薬の多くは大腸刺激性下剤と混合されています。そのため、腹痛や下痢などの副作用を感じる事も多いでしょう。また、脂溶性ビタミンや栄養が便のほうに吸収されてしまい、腸内にとりこむ量が減ってしまうため、継続使用はNGです(そもそも浸潤性+刺激性の効果は数日間続くため、連日薬を飲み続ける必要はありません)。
刺激性下剤が入っていることも考えると当然ながら妊婦さんや授乳中の方、また肝臓の病気がある方の服用も推奨されません。
日本国内ではそこまで使用頻度が高くない薬のため、使う頻度は少ないでしょう。
痙攣性便秘の大きな特徴は便秘と下痢が交互にやってくること。腸の機能が衰えるのではなく、活発になりすぎているがために、消化と吸収のスピード・腸の運動のバランスがうまく取れていない状態に陥っているのです。
大腸が過剰に動くため食後にお腹が痛くなる、便秘の時は固くてコロコロなのに下痢になる、という状況が続くのであれば、痙攣性便秘が考えられます。
痙攣性便秘を引き起こす主な原因は「自律神経の乱れ」。生活習慣や人間関係のストレスにより交感神経・副交感神経のバランスが乱れてしまうと、腸のぜん動運動にも支障が出ます。通常は筋肉が収縮を繰り返して便を押し出すのですが、自律神経が乱れると収縮が活発になりすぎ、まるで痙攣しているかのような状態になってしまうのです。
こうなると、便はうまく押し出されず何度も腸内を行ったり来たり…これが、痙攣性便秘の原因です。
また、過敏性腸が原因となっていることもあります。
痙攣性便秘には、市販されている刺激性の便秘薬は逆効果。余計に痙攣を悪化させてしまいます。また、便秘によいといわれる食物繊維もNG。大腸が過敏に動いているところに、更に腸の動きを良くする材料を送り込んでしまうと…やっぱり、痙攣を引き起こしてしまうのです。
痙攣性便秘は、なるべく薬に頼らず根本原因を何とかするのがベターな解消法。現代社会にストレスはつきものですから、毎日の生活の中でリラックスできる時間を少しでも作る。あれこれ悩んでしまう前に早めに寝る。運動でストレスを発散する、などが有効です。また、寝る前にストレッチをすると眠りが深くなり、副交感神経が正常に近づきます。自分が出来そうなことから少しずつ、取り入れてみましょう。
湿潤性下剤は、腸を直接刺激せず副作用の比較的少ない「機械性下剤」に分類されます。界面活性剤と呼ばれる「石鹸のような物質」が主成分。便の表面張力を低下させ、水分や油分を浸透。便を軟らかくし、滑りを良くします。
副作用が少なく、穏やかな作用。耐性の心配もありませんが、脂溶性ビタミンや栄養が便のほうに吸収されてしまいますので、継続使用は避けること。薬の成分も吸収してしまうこともあります。常用すると脂溶性ビタミン剤の吸収障害が起こることも。
食事療法や運動療法と併用し、腸本来の動きを取り戻すためや、消化器系の手術前に腸内から便を排出させる目的での使用もみられます。便秘と下痢が交互する痙攣性便秘に有効です。湿潤性下剤のみで便秘の解消は期待できないため、大乗刺激性下剤と併用されるのが一般的。
強い腹痛や下痢といった副作用を伴うこともありますが、大乗刺激性下剤によるもの。耐性も避けられません。大腸の粘膜が色素沈着して、腸壁が厚く硬くなってしまう「大腸メラノーシス」を引き起こす可能性も。
湿潤性下剤による副作用は口の渇き、悪疹、腹痛、腹部不快感、腹部膨満感、お腹が鳴るなど。発疹、蕁麻疹などの過敏症状が現れる方も。尿が貴褐色や赤色になることもあります。
刺激性下剤成分を含むため、妊婦中の方、肝臓疾患を患う方、腸狭窄、重症の硬結便の方の服用は適切ではありません。授乳中の方は禁忌。
参考サイト・文献
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