便秘薬成分が含まれる処方薬・市販薬・お茶を解説
代表的な便秘薬
コーラックⅡ
新ビオフェルミン
S錠
便秘解消をサポート
おすすめのお茶
モリモリスリム
桃花スリム
酸化マグネシウムの便秘薬は、病院でも子どもから高齢者まで幅広く処方されています。その理由は、依存性がないことと、刺激を与えないこと。腸内に水分を集め、柔らかい便を出すよう働きかけます。
酸化マグネシウムは、腸にたどり着いて作用する前に、胃の中で胃酸と反応します。胃酸の中身は「塩酸」ですが、そこに酸化マグネシウムが入ってくると…
MgO + 2HCl → MgCl2 + H2O となり、塩化マグネシウムと水に変わります。使われている物質が塩ではないのに「塩類」とグルーピングされているのは、化学反応が起こって変化するからなんですね。体に刺激となる物質が一切発生しない化学反応のため、刺激がなく穏やかに中和されます。
その後、塩化マグネシウムは腸内で膵液(NaHCO3)と反応し「炭酸マグネシウム」という重炭酸塩に変わります。この物質は浸透圧を上げる力があるそうです。
浸透圧というとちょっと難しいかもしれませんが…便秘の腸内は水分が少ない状態になっています。体内には組織液や血液など色々な水分があるため、他のところから水分を集め、周りと同じぐらいの水分量を保とうとする力のことを言います。
腸内で浸透圧が高まると、腸は水分たっぷりになる。そうすると、堆積していたカチカチの便も水分を含み、柔らかくスムーズに排出できるようになる、というわけです。
薬剤による刺激ではなく、便がカサを増したことによる物理的な腸内刺激なので、習慣にもならず依存性もありません。
塩類下剤は作用が穏やかで長期間服用しても耐性ができないため、赤ちゃんや妊婦さんといった、強い刺激のあるものを控えるべき方でも使う事ができる安全な下剤です。
通常、マグネシウムはほとんど吸収されること無く排出されるのですが、元々腸に病気を持っている方、腎臓が悪い方、高齢者など、また長期間服用している方は「高マグネシウム血症」になる恐れがあります。
初期症状としては「吐き気、嘔吐、立ちくらみ、めまい、頻脈、徐脈、皮膚が赤くなる、力が入りづらくなる、だるさ、眠気、ぼんやり・うとうと感」などがありますので、いつもと違う感覚を覚えたらすぐに病院に相談しましょう。
実際、酸化マグネシウムを使用している患者さんは年間4,000万人、そのうち下剤の服用と因果関係がある症例はたった19件。発生頻度を考えればかなり安全性が高いものといえますが、2015年には死亡例も出ているとのこと。安全な薬だと楽観視してバンバン使わずに、出来る限り自分の力で便を出すことができる環境を整えられるようにしましょう。
酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムは、胃酸と科学反応し、腸にたどり着く前に胃で作用する塩類下剤に使用される有効成分。消化器内科の先生のおすすめです。刺激がなく穏やかに中和され、腸内で膵液と反応し、重炭酸塩に変化します。この科学反応で発生する物質は体に刺激を一切与えません。重炭酸塩は腸内の浸透圧をあげて、便の水分量を増加。水分を引き寄せる力で腸内が潤い、溜まったカチカチの便も水分を吸収して柔らかに。便が柔らかくなることで、スムーズな排便が促されます。
マグネシウムを含むため、吐き気、嘔吐、口渇、血圧低下といった副作用が起こる可能性がありますが、作用は穏やか。長期間服用でも耐性のなさから、他の下剤と併用されることも。赤ちゃんや妊婦さんにも安全に使用できる下剤ですが、医師の指示の元、服用してください。
重篤な副作用も報告されていますので、使用上には注意が必要です。腎障害のある患者は「高マグネシウム血症」を引き起こすおそれがあります。心機能障害のある患者は、徐脈を起こし、症状が悪化する可能性も。
下痢のある患者さんは症状が悪化する可能性があるためおすすめできません。高マグネシウム血症患者も症状が悪化する可能性があります。嘔吐、徐脈、筋力低下、傾眠等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医者の受診を受けてください。高マグネシウム血症により、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることも。
参考サイト・文献
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