便秘薬成分が含まれる処方薬・市販薬・お茶を解説
代表的な便秘薬
コーラックⅡ
新ビオフェルミン
S錠
便秘解消をサポート
おすすめのお茶
モリモリスリム
桃花スリム
糖類下剤も、塩類下剤と同じく浸透圧で水分を集めてくるタイプ。人工甘味料使用のお菓子やガムを沢山食べ、お腹が緩くなった・便通が良くなった経験をした方もいるでしょう。まさにそれと同じ効果を出す薬です。
こちらも塩類下剤と同様に、腸内の浸透圧を高めて周囲から水分を集め、便を柔らかくする効果があります。糖類…というと、体内に吸収されて脂肪になってしまうイメージが強いですが、下剤で使われるのはほとんど吸収されないタイプのものです。
糖類下剤は腸内で善玉菌によって分解され、このとき乳酸が発生し腸内が酸性になります。悪玉菌の住みづらい環境を作る事が出来るので、腸内環境を良くする菌がしっかり働くようになり、便通をスムーズにします。
キシリトールなどの人工甘味料を配合した食品に「食べ過ぎるとお腹がゆるくなることがあります」と記載があるのをご存知でしょうか?実際に経験した方も割と多いのですが…まさに、その効果を下剤として活用しているわけです。
欧米では高齢者に処方する下剤としてよく使われるようですが、日本国内では保険適用される薬ではありません(薬局処方でも安価なのでご安心ください)。赤ちゃん向けの便秘薬としてベビー用品老舗の「和光堂」からマルツエキスが発売されるなど、昔から安全性の高い下剤として利用されています。妊婦さんや高齢者はもちろん、なるべく刺激に頼らず自然なお通じに戻したいと考える方にオススメです。
便秘を解消する以外にも便秘防止策として、胃のバリウム検査を受けた後の便秘を防ぐ用途にもよく使われています。
糖尿病は頑固な便秘を引き起こすことが多い病気。糖尿病が原因で便秘になると、食べた糖類が胃腸内に長く滞ってしまい、多くの糖分が体内に吸収され、病気を悪化させてしまいます。
糖尿病の方が糖類下剤を飲むと、血圧降下につながり大変危険なので、絶対に使用は避けましょう。糖尿病の方は、薬剤系の便秘薬に頼ると思わぬところに副作用が出る恐れがありますので、食物繊維をたっぷり摂るなど食事面からの改善を心がけてください。
下剤は、有効成分がどこに作用するかによって大きく2つに分類されます。腸を直接刺激して、ぜん動運動によって排便を促すのは「刺激性下剤」。便そのものに作用して自然な排便を促す「機械性下剤」は、浸透圧力で、便の水分量を増やして柔らかにし、体積を増やします。便の質を変えて排便を促すため、腸を刺激しません。内臓に負担をかけずに、優しく便秘を緩和。
糖類下剤は機械性下剤4種の一つで、ラクツロースなど胃や小腸で吸収されにくい糖類が有効成分。胃で分解できない種類の非吸収性糖分は、そのまま腸へ到達。腸内善玉菌のエサとなり、腸内細菌の働きを活性化し、善玉菌を増やします。腸内が酸性になるため、腸内環境も改善。
血液中のアンモニア濃度が高くなってしまう「高アンモニア血症」の治療薬として使用されることも。
悪玉菌に支配された腸内環境では、便は長く腸内に滞在し発酵、アンモニアを発生させます。糖類下剤は、善玉菌を増やし、腸内活動を活性化。便秘解消だけでなく、アンモニアの発生も防ぎます。依存症や副作用が少なく、乳幼児や子供の便秘薬として処方されるほど。即効性もなく効果が弱いのがデメリットです。
糖分を含むため、糖尿病を患う方の使用には注意が必要です。体質によっては、下痢・食欲不振・お腹の張り・吐き気・腹痛などの副作用を感じる方もいます。腸内ガスの発生も。
参考サイト・文献
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